医師一家の生前対策

第5章相続を乗り切り医業を
永続させることは、
地域社会における医師一家の使命

円満相続は一日にしてならず。早めの対策が未来を明るくする

 家族が幸せに暮らせて、病院も安定して継続でき、被相続人も思い残すことなく次の世界に旅立てる――そんな三方よしのハッピーな相続を、あなたにもかなえていただきたいと思います。

 そのためには焦らないことが一番です。

 本書の最初に、開業医の相続をエベレスト登山に喩えました。登山では、じっくり時間をかければ、いくつもあるルートのなかからより安全でベストなルートを選んで登っていけます。途中で少々道を間違えても、立ち止まって今いる場所を確認し、方向修正をしたり、元の場所まで戻ってやり直しをしたりすることができます。景色や空気のおいしさを味わう余裕すら生まれるかもしれません。

 相続でも同じです。十分な時間をかければ、自分たち家族にとって一番ふさわしい道を選んでいけます。揉め事が起こりそうなときも、腰を落ち着けて話し合うことで、関係を壊さずに妥協点を探っていけるでしょう。家族と集まって「ああでもない、こうでもない」「自分はこう思うけど、あなたはどう?」などと本音で語り合っているうちに、家族間での愛情は深まり、絆を強く結んでいけるに違いありません。

 どうか相続を「厄介ごと」と捉えずに、家族としてさらに成長していける「チャンス」とし、力強く前に一歩を踏み出してください。きっとエベレストの頂上から見る世界は素晴らしい感動を与えてくれるはずです。すべてを終えて自分たちが歩いてきた道を振り返ったときに、「相続準備をやって良かった」と思える日がきっと来ます。

キーワードで検索

ex) 医師、相続、資産、テクニック、フィナンシャル

Page Top