第1章ちっとも貯まらない将来の資金。 働く女の苦しい懐事情
女性の平均収入は男性の7割しかない
出典:内閣府「男女共同参画白書 平成22年版」
働く女性は着実に増えているものの、その待遇は決して良くはありません。
例えば給料について、2014(平成26)年のデータ(一般労働者の平均現金給与額)を見ると、正社員・正職員の場合、男性は月額38万700円。それに対して女性は月額27万5900円と、10万円以上の差があります。
正社員・正職員以外でも、男性は月額24万6700円なのに対して女性は月額19万1200円です。正社員・正職員とそれ以外を合計して、男性の給料を100とすると、女性はたった72・5にしかなりません。
初任給では収入差はありません
ただ、初任給について男性の賃金を100として女性の賃金を比べると、高校卒で100対95・6、大学卒事務系で100対96・4、大学卒技術系にいたっては99・6とほとんど差がありません。大学を出て働き始めた当初、男女の賃金はそれほど変わらないのです。ところが、年齢と共にどんどん差がつきます。
働く女性の待遇改善においては、1985(昭和60)年の男女雇用機会均等法の制定をきっかけとして、様々な取り組みがなされてきました。
女性の収入は国際的に見てもまだまだ低い
しかし、30年以上経ったいまも、男女の間には大きな賃金格差が存在しています。欧米諸国では、女性の賃金水準は男性の80~90%程度といわれていますから、国際的に見ても日本の女性の賃金はまだまだ低いのです。
世界経済フォーラムが発表した2014年の女性活用度指数(ジェンダー・ギャップ指数)においても、日本は142カ国中104位でした。これは、世界各国において経済、教育、健康、政治のそれぞれの分野で女性がどれくらい活躍しているかを調査しているものです。
日本の順位は前年2013年よりひとつ上がったものの、先進国では最低レベルです。
他の先進国に比べて、日本の働く女性の待遇はまだまだ劣悪。懐具合はさびしいのが現実です。