医師一家の生前対策

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13のテクニック

自筆証書遺言の作成方法

人間は、いつか最期を迎えます。
そのときに備え、遺言書などの準備をしておく必要があります。
遺言書について紹介します。

・遺言書の種類

遺言書を作成する場合、まずはその種類を把握しておく必要があります。
遺言は、大別すると、普通方式遺言と特別方式遺言に分類できます。
このうち特別方式遺言は一般的な遺言とは異なり、死が目前に迫っているなど普通方式の遺言書を作成する余裕がない、危急時の遺言です。
そのため終活などで行う時は、普通方式の遺言書を作成することになります。
普通方式の遺言書は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言に分かれます。
通常、遺言書を作成する時は、これらどの遺言書でも構いません。自分に合った方式を選択してください。
しかしそれぞれの遺言書によって、費用、記入方法、発見した後の処置方法、証人の有無など手続きが異なりますので注意しましょう。

・自筆証書遺言

自筆証書遺言は、すべて自分で作成する遺言書です。自筆による遺言書を作成するには遺言書に記入する全文、日付、氏名などを自分の字で記入して押印する必要があります。
しかし、パソコンやワープロなどを使用した遺言書は、すべて無効になりますので、注意してください。
たとえ記入の方法に間違いがなくても、そのすべてが効力を失います。

・メリット、デメリットについて

自筆による遺言書は作成に費用がかからないこと、また自分の好きな時にいつでも作成できるのが大きなメリットです。
公正証書遺言書、秘密証書遺言書は、公証人の証明、費用などが必要です。
また公証人の証明が必要であることから、ある程度の時間も要します。
早く遺言書を作成したい方は、やはり自筆証書遺言書がオススメです。
自筆証書の遺言書は、自分のペースで作成できるのが大きな魅力だといえます。

デメリットとしては、まず書式不備が挙げられます。
遺言書には法律で規定された書き方がありますので、規定に合った書き方を行う必要があります。
自筆証書の遺言書を作成した人の中には、様式不備が原因で無効になったケースもあります。
法律では、2人以上が同じ書面で遺言することを禁じています。
さらに「○月吉日」など、曖昧な日付の記載も無効になります。

そして自筆証書の遺言書は、遺言者が作成した遺言書が、生前、死後に関係なく、盗難に遭ったり紛失したりする可能性もあります。
またせっかく作成した遺言書が、遺言者が亡くなった後に発見されない場合もあります。その他にも、本当に遺言書の自筆なのかどうか筆跡についての検証や、検認手続きも必要になります。
自筆証書の遺言書の相続人は、被相続人が死亡した後に遺言書を家庭裁判所に提出して検認請求を行う必要があります。
この検認手続きをしないと、5万円以下の過料に課せられます。
このように自筆証書の遺言書は手軽に作成できる分、多くのデメリットもありますのでしっかり把握しておいてください。

・自筆証書遺言の作成方法

自筆証書遺言は、遺言書のすべての文字を自筆で書くものです。
遺言書の本文を始め、その他の事項もすべて自分の字で書くことが条件になります。
相続人に伝えたいこと、日付、署名を自筆で行い印鑑を押せば完了です。
遺言書の代筆、パソコン作成、録音、録画で行う遺言書はすべて無効です。
遺言書を作成中に間違いがあれば、規定の通りに修正を行います。

遺言書の形式は特に定まったものはなく、用紙のサイズ、筆記用具、行、枚数の制限などはありません。
また遺言書が2枚以上になっても契印の必要はなく、契印がなくても無効にはなりません。
表題は特になくても問題ありませんが、明確性を示すたるため、「遺言書」や「遺言状」などと記載する方が良いでしょう。
本文は法定の遺言事項を記載しますが、必要部分だけでも大丈夫です。
日付は絶対必要で、西暦、元号はどちらでも構いません。
署名は自署、印鑑は三文判でも大丈夫ですが、後々のことを考えるのであれば実印が望ましいです。
そして遺言書の内容を秘密にしたい方は封印を行いますが、特にしなくても無効にはなりません。

自筆証書の遺言書を作成するときは、以上の点に気をつけなければなりません。
終活で自筆証書遺言書を作成する人も多いと思いますが、その場合は書き方などに注意しましょう。
自筆証書の遺言書は作成が簡単な分、デメリットも多いのでしっかり理解しておいてください。

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