医師一家の生前対策

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円満相続のために

資産を把握するタイミングは
早いほどいい

自分自身の財産については、実際、どのくらいのものがあるのかを俯瞰する機会はそれほどありません。しかし、客観的に財産を把握しておくことは、相続時の争いを抑えるための重要なポイントにもなるのです。

資産を確認し平等に分配する

 自分がいま、どれだけ財産を所有しているのか。そして、どのような資産を家族に残せるのかをしっかりと把握している人はそれほど多くありません。人生の最期が近づいてきたときに、整理をすればよいだろう……そう考えがちでしょうが、じつは保有財産をきちんと洗い出しておけば、遺言書を作成するときや遺産分割方法を考える際に、非常に役に立つのです。

「相続財産」といったとき、みなさんがすっと頭に思い浮かぶのは、現金、預貯金、投資信託、自動車、土地家屋などの不動産、自動車や貴金属といった動産、そして著作権、商標権、特許権などの知的財産権……残された家族にとってプラスになるものでしょう。ご存じでしょうが、医師の資格については、相続の対象から外れます。 遺産分割でトラブルを引き起こさないためには、こういった財産の洗い出しが必須です。しかし、もうひとつここで大切になってくるものがあります。それは遺族に不利益を及ぼす可能性のある、ローンなどの借金、連帯債務、保証債務といったマイナスの財産です。借金についてはなんとなく想像がつきますが、じつは保証人なども相続の対象になります。家族が亡くなって、借金などを相続してしまったというケースは実際珍しくありませんが、大きな争いの火種になることも多くなります。  プラスの財産を洗い出すだけでなく、このように、じつは遺族に大きな損害を与えかねないマイナスの財産を把握し、どのように対処するのかを考えておくことは、とても重要なのです。

 資産の洗い出しを完了した後には、把握した財産について、一覧できるような財産目録を作成するのがよいでしょう。一般的には、その種の書類は被相続人が亡くなった後に遺族がつくるものですが、可能であれば生前に作成し、関係者間で一度共有しておくことで、遺産相続トラブルが発生するリスクが抑えられます。

客観的な評価が必要な財産とは

 自分がどのような財産をもっているのかが判ったら、次の段階としてその価値がどれくらいなのかを整理してみましょう。まず、現金や株式など、誰がみても分かるものに関してはまったく問題ありません。問題となるのは、どのくらいの価値があるかひと目でわからないものについて。ではどのように処理すればよいのでしょうか。

  とくに、客観的価値が判りづらい書画骨董。これらは、鑑定会社に鑑定を依頼して誰がみてもその価値が判別できるように、鑑定書を発行してもらいます。そうすれば、その価値は明確なものになったといえるのです。ただし、こういったものは時価であることも多く、鑑定はあくまでその時点での評価と考えるべきです。生前に評価した額は参考程度にし、あらためて鑑定が必要であることだけを念頭に置いて、家族に伝えたり遺言書に記しておきましょう。宝石も書画骨董同様に鑑定書があれば、その価値が客観的に把握可能です。たとえば、残された家族がその価値を知らずに、古ぼけた海外の金貨を鑑定してみたら、じつは数千万の価値があって誰が相続するかでもめてしまう、という可能性もでてくるので注意するに越したことはありません。

 金や銀、プラチナといった貴金属を現物資産として所有されている方もいらっしゃるでしょう。これらに関してもやはり市場での相場を基準に評価されます。近年、貴金属は上昇傾向にある資産です。やはり、そのときになって再鑑定が必要であることを、どこかに書き留めるなどして残しておくとよいでしょう。

  このように、生きているなるべく早い時期に、どんな財産があってどれくらいの価値があるかを把握し、まとめて財産目録にしておくことはとても大切なことなのです。なぜなら、相続人の誰に、どれだけ資産を残そうかと考えたときに、際立った問題がない限り、その差がでないように考慮し、なるべく全員に平等な資産分割を考えることが可能だからです。

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