医師一家の生前対策

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円満相続のために

地域包括ケアシステムの課題とは

地域包括ケアシステムの実現により、今まで国が負担していたサービスが地方に移譲されます。
これにより地域住んでいる高齢者も満足のいく医療、介護、行政サービスを受けられるようになります。
地域包括ケアの今後の進展に期待が集まっていますが、課題もまたあります。

地域包括ケアシステムは高齢者に優しいシステムですが、そこには高い理想が設定されています。
システムの基本は自助と互助にあり、この自助と互助によって理想的なシステムが成立します。
言葉では簡単に見えますが、現実的には難しい面があります。

ここでいう自助とは、自分自身で生活を支え、健康の管理を行うことをいいます。
健康で元気な人であれば問題ありませんが、すべての高齢者がそうであるとは限りません。
そして互助というのは、家族、親族、住民など地域の方たちのサポートを意味します。
昔はご近所付き合いも活発でしたので、地域住民のサポートも可能でした。
しかし最近は、ご近所付き合いも希薄になっていますので、地域住民によるサポート機能は不明です。

皆さんは自分の隣に住んでいる方がどのような方なのか、しっかり把握できていますか?
お隣さんの把握がしっかりできていない方たちが増えている中、果たして互助がしっかり機能できるか疑問の余地が残ります。
このように地域包括ケアシステムは、高い理想が根本にあります。
そのため実際に実行しても、後々システムの存在自体を揺るがしてしまうことも考えられます。
また核家族化、単身世帯が増え、家族でさえ本当に自分を支えてくれるのか心配になる方もいるでしょう。
このような問題点、課題を如何に克服できるかになります。


・地域での対応

地域包括ケアは、今まで国が対応していたことをすべて地方で対応することになります。
しかし、すべての市町村が本当に対応できるかどうかの問題もあります。
体力のある元気な市町村であれば問題ありませんが、体力のない市町村は対応に限界が生ずる可能性があります。
地域での対応を考える場合、高齢者に対応できる専門職員と市町村の財源政が必須です。
市町村の中には専門職員が少ない、財源に余裕がないというところもあります。
そのため、大都市圏などの余裕のある地域と余裕のない地域とでは、実際のサービスに大きな差が出てくる可能性もあります。
地域包括ケアでは、このような地域間の差の解消も大きな課題の一つです。
地域で受けることができるサービスの差をなくし、全員が平等なサービスを受けるシステムの構築が重要です。

さらに、医療と介護との連携も大切です。
地域包括ケアを実現するには、介護現場と医療現場がしっかり連携することが大切です。
医療と介護というのは、高齢者が住んでいる地域を中心に、それぞれが最も近い存在として連携する必要があります。
しかし医療業界では、介護と医療は別物という認識もまだ残っています。
高齢者のケアを大切にするのであれば、医療業界の認識の改革も必要です。
このように地域包括ケアを取り巻く環境は厳しいものがありますが、それらを克服できれば理想的なシステムが実現されます。

厚生労働省が推奨している地域包括ケアシステムには、課題が残っています。
しかしこれらの課題を克服できれば、今までにないシステムの構築が可能です。
今後の動きに期待が集まります。

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