不動産投資でローンを活用することのメリット
不動産投資のリターンに大きく関係してくるのがローンです。不動産投資のメリットのひとつとして、ローンを利用できることを挙げておきます。
みなさんの中には、ローン=借金ということで、悪いイメージがあるかもしれません。しかし、不動産投資でローンを利用することには、二つのメリットがあります。
ひとつは、自己資金が十分に貯まるのを待たないでも不動産投資を始められるということです。不動産投資は株式やFXなどと違って、数千万円の資金が必要です。それだけの金額を貯めるには、10年、20年かかるかもしれません。
また、魅力的な物件を見つけたとき、自己資金が足りなければみすみす見逃すことになってしまいます。投資はすべて自己資金の範囲でということでしたら、不動産投資ではなく他の投資対象を検討したほうがいいでしょう。
もうひとつのメリットは、レバレッジを利かせられるということです。「レバレッジ」という言葉を知っている方もいると思いますが、「てこ」という意味です。自己資金にローンを組み合わせることによって、自己資金に対するリターンを高めることができるのです。
例えば、自己資金1000万円とローン9000万円で、1億円のアパート(1棟)を購入したとしましょう。このアパートの賃料収入が年間500万円だとすると、利回りは5%となります(500万円÷1億円)。
この場合、ローンの金利が3%だとすると、年間の金利は270万円です。その他、管理費などが100万円かかるとして、手元には130万円が残ります。自己資金1000万円に対するリターンは、単純計算で13%になるのです。
一方、自己資金1000万円で1000万円の中古ワンルームマンションを購入したとしましょう。利回りは同じ5%だとすると、年間50万円の賃料収入が入ってきます。管理費などが10万円かかるとして、手元に残るのは40万円です。自己資金1000万円に対するリターンは、単純計算で4%です。ローンを組み合わせた場合より、利回りは9%も低くなります。
もちろん、ローンを利用することにはデメリットもあります。例えば、空室が増えると家賃収入が減り、ローンの返済分を差し引くと赤字になる可能性があることです。また、レバレッジを利かせるといっても、それは賃料収入の利回りがローンの金利を上回っていることが前提であり、賃料収入による利回りがローンの金利より低いと、赤字が急速に拡大する可能性があります。
あるいは、換金のために急いで物件を売らなければならなくなった際、購入時より物件の価格が大きく値下がりしていると、売却金額とローンの残債の差額を補?しなければならない可能性があります。 こうした事態を避けるには、しっかりと物件を選ぶことがカギを握ります。