オーナー社長のための収益物件活用術 会社の経営安定、個人資産を防衛

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管理と出口

売却を意識し、戦略的な修繕を行う

単に物件の状態を良くするのではなく、費用対効果を意識して戦略的に管理しましょう。

 収益物件の活用に欠かせないのが、修繕工事です。建物は古くなれば修繕の必要性が出てきます。この修繕工事を戦略的に行うのと、ただ行うのとでは、利益に大きな差が出ます。

 ここでいう戦略的とは、税金のコントロールを考えることです。修繕工事の税務処理は大きく2つに分かれます。

 ひとつは、修繕費として即時償却できるもの。2つ目は資本的支出として建物の耐用年数に応じて減価償却の対象となるものです。

 収益物件の活用においては、できる限り修繕費として短期間で償却できたほうがよいわけですが、修繕費と資本的支出は、どのように区別されるのでしょうか。

 ごく簡単に説明すると、物件の価値が向上する修繕は、資本的支出になり、そうでないものは修繕費として扱われます。ただし、価値を向上させない程度に修繕を行うことで、修繕費として処理することもできます。そうすれば単年度での費用化ができますので、その年度の税額を抑える効果が高くなります。

 このように、修繕もただ行えばいいというわけではなく、戦略的に考えて行うことで収益物件の利益は最大化します。そのためには、アドバイスをもらえる不動産会社の担当者や税理士といったパートナー選びが重要です。修繕費と資本的支出の判定についても、実際はもっと細かな基準がありますので、専門家のアドバイスは必須です。

 収益物件の活用においては、売却して初めて利益が確定し、その利益を最大化することが求められます。

 物件の取得、管理運営もすべてその目的に沿って行う必要があります。

 管理に関しても、売却を意識して行うのと意識しないで行うのとでは、結果に大きな差が出てきます。

 例えば、3年以内に売却を考えている物件があります。この物件に多額のコストを投じてしっかりと外壁塗装をすることは、利益最大化という視点では意味がありません。とりあえずの化粧直し程度を目的に、一度塗りでコストを抑えたほうがよいでしょう。

 逆に、多少コストをかけてでも室内のリフォームをして賃料を上げる(もしくは下がらないようにする)ことで、3年後の売却価格を上げることができます。

 この場合は、かけたコストと賃料の上げ幅から逆算される売却価格の上乗せ分を比較して、その上乗せ分が大きければリフォームを行うという判断ができます。

 また、土地の広い物件で資産価値(土地値)で価格の決まる物件であれば、入居者に退去してもらってから売却したほうが高く売れます。

 このような物件では、売却のタイミングを意識して、入居者が退去した場合には次の入居者を入れない、もしくは一時使用契約や定期借家契約で入居させ、いつでも退去してもらえるようにしておく必要があります。

 売却というゴールから逆算してどのような運営方法を取ればいいかを考え、実践する必要があるのです。

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