既存管理会社の問題点
(不動産業界の問題点)
不動産業界は良くも悪くもいわゆる「世の中から遅れた業界」です。
変化してきているとはいえ、いまだに電話やFAXが通信手段の主役であり、メール(図面のPDFファイルなど)でのやり取りは一般化されていなかったりします。
不動産業界は、古い体質を引きずっているところがあるのです。
その理由は、物件のオーナーのためではなく、管理会社の利益のために業務が行われているという点にあります。
その最たる事例が、入居者獲得における問題点です。
賃貸アパート・マンションの世界においては、戦後一貫して人口が増えていったため住宅不足が続き、アパートオーナー(いわゆる地主)や管理会社からすれば「部屋を貸してやる」という強気の対応が長らく続きました。
そのため、管理会社が自社で仲介店舗を持ち入居者を募るという体制が一般的になりました。
オーナーやその代理である管理会社は、空室という「商品」をどのような形で販売すればいいかを考え行動する、いわばメーカーとしての立場です。メーカーにとっては自社の商品がどこで売れても売れさえすればいいわけです。
一方、不動産の仲介会社(店舗)は、実際に商品を消費者に販売する立場です。
この2つの立場を不動産会社が同時に持ってしまっていることに、大きな問題があります。私はこれを「一体型」の管理会社と呼んでいます。
この業態では、仲介手数料を得たいがために自社店舗で売ることが目的になってしまって、販売の間口が狭くなってしまい、空室を売るのは難しくなります。
空室の多い現在においては、自社で店舗を設けて売るのではなく、できるだけ多くの販売店にお願いをして、もちろん手数料も払ったうえで、空室を売ってもらう必要があります。
収益物件の活用において利益を最大化していくことを考えれば、このメーカーと小売店の役割をきちんと理解し、分けて考える管理会社に委託する必要があります。