オーナー社長のための収益物件活用術 会社の経営安定、個人資産を防衛

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物件取得

借り入れは金利・借入期間・借入割合の3点で考える

収益物件の活用もひとつの事業。会社の経営と同様にリスクの低い方法で運営しましょう。

 オーナー社長であれば日ごろから金融機関から借り入れをしているケースが多いので、よくご存じだと思いますが、借り入れをする際には、会社が「つぶれないためにはどうするか」という視点ですべて判断すると思います。

 収益物件の活用も、見方を変えればひとつの事業(私は「アパート事業」と呼んでいます)と捉えられます。

 その観点で考えると、資金の借り方も明確になると思います。

 収益物件活用における資金調達はできるだけ低金利で借入期間を長く、そしてできるだけ自己資金を使わないで借りることが基本です。

 金利を低くすることは利益に直結しますし、3%よりは1%のほうがいいのは誰にでもわかります。

 しかし、期間を長くすること、そして借入割合を高めることは金利を低くすることと同等かそれ以上に重要なのです。

 借入期間を長くするのは、安定したキャッシュフローを得るためです。借入期間が短いとキャッシュフローは厳しくなります。なぜなら、毎月支払う元金と金利の合計が高くなるからです。場合によっては損益計算書上の利益が出ているのにキャッシュフローが回らず「倒産」という事態にもなりかねません。実際、リーマンショック後に倒産した上場不動産会社は、すべてキャッシュフローのマイナスによるものでした。

 借入期間を長く取るということは経営上非常に重要であり、物件の利回りにもよりますが、できれば20年以上、最低でも15年は確保するべきです。

 次に融資割合です。これも「つぶれないためには」という視点で考えればよくわかると思います。企業は赤字でもつぶれませんが、現金がなくなったときにはつぶれます。できるだけ手元流動性(つまり現金)を確保することが安定経営につながるのです。この現金は借りたものでも自己資金でも関係ありません。

 この観点から、自己資金はできるだけ手元流動性として確保しておき、物件購入の資金は借り入れで賄うことで安定性が高まります。できれば物件価格の全額(フルローン)を借り入れることが理想ですが、最低でも8割は借り入れで賄うべきでしょう。そうでなければ、その物件は取得するべきではないといえます。

 収益物件購入の資金を借り入れる時に、固定金利を選ぶべきか、変動金利にするべきかという問題があります。

 収益物件は未来永劫持ち続けるものではありません。もちろん無理に途中で売る必要もありませんが、一定期間が過ぎたら売却して利益確定できますし、また売らざるを得ない事情が発生することもあります。私が知っているなかでは、離婚によって売らざるを得なくなってしまったという事例もありました。

 現在の低金利から考えると金利上昇のリスクはあるのですが、基本的には変動金利もしくは5年以内の短期固定金利を選ぶことをおすすめします。これは金利上昇のリスクと、売ることで利益を確定できるのに売れないというリスクや、売らざるを得なくなってしまった場合のリスクのどちらを取るかという問題に直結します。

 というのも、20年などの長期固定金利を組んだ場合、途中で売却する場合には、違約金がかかってしまうのです。私が経験した事例では、20年の固定期間中、取得から5年目で売却したときに、1000万円程度の違約金がかかったということがあります。

 違約金は取得時の金利と売却時の金利、さらには借入期間(残存期間)などによって決まるので一概にいくらとはいえませんが、超長期の固定はリスクが高いのは事実でしょう。

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