オーナー社長のための収益物件活用術 会社の経営安定、個人資産を防衛

第2章毎月の賃料で収入が安定。
万が一の経営危機も乗り切れる

《生命保険》団体信用生命保険で収益物件が死亡保障に

 収益物件は生命保険の代わりにもなります。

 個人が収益物件を借り入れで取得し、その借り入れに対して「団体信用生命保険」(団信)を付けることで、死亡時には借り入れ(債務)が免除されるというものです。

 通常の保険では、1億円の生命保険を掛ければ死亡時に現金で1億円が支給されますが、この方法では現金ではなく収益物件が支給されるイメージです。なお最近は死亡だけでなく高度障害やがんといった重病に対しても適用される商品がありますので、より利用価値が高まっているといえます。

 この保険料は月々の賃料収入から支払われることになるため、実質的な支払いはありません。

 厳密にいえば、借入金利に0・2~0・3%が上乗せされるケースが多いのですが、場合によっては団信込みで金利設定されるケースもありますので一概にはいえません。昨今の低金利の市場においては、団信込みで1%台の金利という事例も少なくないのです。

 保険料が借り入れ額の0・3%だとしても、1億円の借り入れを行った場合にかかるコストとしては年間30万円(1億円×0・3%)ですから、保障額1億円の生命保険に年間30万円で入れると考えれば、破格の安さだといえるでしょう。しかもその30万円は賃料から支払われるとすれば、負担は実質的にゼロです。

 団体信用生命保険に加入できる上限は、一般的にはひとつの金融機関あたり1億円までとなりますが、一部の金融機関では3億円まで対応しているケースもあります。

 相続人にとって不動産の相続が負担にならないことが前提ですが、1億円の現金よりも1億円の収益物件を相続するほうが、毎月賃料収入を生み出してくれるので価値が大きいといえます。現金は使ってしまえば減る一方です。

 ただし、139ページで解説している相続税の節税という観点から見れば、死亡時に借り入れがなくなってしまうために、相続財産を減らす効果が得られないことになります。

 借り入れのない不動産が残るので、むしろ財産が増えます。とはいえ、1億円の現金を通常の生命保険として受け取ることに比べれば、相続財産としての評価は低くなり、相続税の負担も軽くはなります。

 なお、法人ではこの団体信用生命保険には加入できないので注意が必要です。オーナー社長やその家族名義で収益物件を保有する場合など、あくまでも個人での加入が前提となります。

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