医師一家の生前対策

第2章莫大な相続税で破産、
子どもの跡継ぎ争いで家族崩壊……
医師一家を襲う悲劇 5つの事例

開業医一家の相続における「兄弟平等」とは何か

 争族のリスクを小さくするという意味において、「相続は兄弟平等に」という考え方はとても大切です。ただ、何をもって平等と考えるかは各家庭で違ってきます。

 「金額的な額が同じになるように遺産分けをする」ことが平等であるとする考え方もあれば、「責任の重さに応じて遺産額を変える」ことが平等であるという考え方もあります。

 たとえば、後継者には病院を守っていくという重い責任がかかりますから、その分、多くの資産を与えるのが平等かもしれません。

 医師の子に多くを与えると非医師の子から文句が出やすい傾向はありますが、非医師の子にぜひとも知っておいてもらいたいのは、「そもそも出資持分というのは換金性がない」ということです。金額として見ると大きく見えますが、実際には現金化できない性質のものですから、自分のお金としては1円も使えません。むしろ、それを引き継ぐために相続税を背負わなくてはならないのです。そう考えれば、病院経営の苦労もなく、相続税負担も軽く、現金など自分で使える資産で何千万円かもらえた非医師の子のほうが、はるかに恵まれているともいえます。その点を、後継者でない子には理解してもらいたいものです。

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