第4章年収350万円から始めて、一生リッチに暮らす投資計画
ローンを借りやすい物件の条件
不動産投資は基本的に「事業」です。大事なのは、自分がどんな事業をしたいのか、そしてその事業をどう成長させていきたいのかということです。それは初心者でもベテランでも変わりません。
銀行はあくまでも不動産投資という「事業」に融資をします。その事業を行う人がどんな方針で、どのような計画のもとに運営するのかが重要です。
もちろん、これまで不動産投資においてどんな実績を出しているかはひとつの判断材料になります。保有する物件が着実に利益を出していればプラスの評価になるでしょう。しかし、保有する物件が多くても、それがうまくいっていなければ逆にマイナスの評価になってしまいます。それなら、不動産投資は初めてでも信用力の高い人や、明確な計画を持って不動産投資に取り組もうとしている人のほうが有利です。
ローンの審査にあたって、銀行は物件そのものもチェックしますが、あくまでローンを貸すのはその物件を使って行われる賃貸事業に対してです。周辺の賃貸市場の動向、ターゲットとする入居者のイメージ、事業収支の予想などをひとつのストーリーとして組み立て、銀行の担当者に「こういう賃貸事業なら貸したい」と思ってもらえるのが理想です。
もちろん、物件そのものも重要です。銀行は物件そのものに貸すわけではありませんが、「この物件なら安心できる」と思える条件が備わっていれば、プラスになります。
<空室率が低い物件>
賃貸事業で最大のリスクは空室です。空室が少ないということは、銀行にとって大きな安心材料になります。中古の場合は、現在の空室率だけでなく、過去にさかのぼってデータがあれば、さらに説得力は増します。
<立地の良い物件>
駅に近いとか周辺に公園があるなど、立地に何らかの特徴がある物件は、銀行の評価が良くなります。逆に、駅から少し遠いとか、周辺に嫌悪施設があっても、その分、部屋が広いとか、駐車場が付いているなど何らかのメリットがあればプラスに働きます。
<メンテナンスが行き届いた物件>
中古物件の場合は、日頃のメンテナンスや定期的な修繕を行っているかどうかがポイントです。銀行の担当者が現地を見にいくわけではありませんが、メンテナンスや修繕の証拠となる工事記録や領収書がきちんと整理されているのが望ましいでしょう。
<道路付けの良い物件>
道路付けとは、敷地が接する前面道路の幅や道路と接する間口の幅のことです。広めの道路に接していて、十分な間口のある土地のほうが評価は高くなります。
逆に、前面道路が4m未満(いわゆる2項道路)であったり、細長い通路部分で道路とつながっている土地(旗竿状敷地)であったりする場合は、建物の建築が制限されたりするので評価は下がります。また、法律上の道路に接していない土地ではそもそもローンを組めません(接道義務違反)。
<含み益がある物件>
周辺の時価より割安に購入できれば、購入時点で含み益が発生しています。銀行としては当然、安心してローンを貸せることになります。
また、土地についての市場価格は道路付けのほか、その形状などによって変わります。購入したときは旗竿状敷地であったり、接道義務違反の土地だったりしても、その後、隣の土地を追加で取得できれば、一気に評価が跳ね上がることがあります。そういう見込みがある土地については、銀行と交渉の余地があるでしょう。
不動産投資の初心者向け物件というものはありませんが、銀行から事業性を評価してもらえるような物件を吟味しましょう。