第1章ちっとも貯まらない将来の資金。 働く女の苦しい懐事情
「専業主婦でのんびり優雅に」は夢のまた夢?
結婚して、専業主婦になった場合はどうでしょう。夫の収入で安定した生活を送ることができれば、それはそれで幸せだと思います。
しかし、実際には住宅ローンや子どもの教育費などで、生活にあまり余裕がない家庭は少なくありません。
例えば、夫の収入が税込みの額面で1000万円としましょう。年収が1000万円以上のサラリーマンは、正社員のうち4%もいないといわれますから、かなり恵まれたほうです。
しかし、そこから所得税、住民税、社会保険料などを差し引くと、手取りは680万円程度。月々にならせば50万円ちょっとです。
ここに住宅ローンが3500万円あるとしたら(年2%、35年返済)、月々の返済が11万5000円です。ほかにも固定資産税や、マンションであれば管理費と修繕積立金、駐車場代、さらに自動車のローンがあるかもしれません。
特に負担が重いのが、子どもの教育費です。1人だけならまだしも、2人いてそれぞれ塾や私立学校に通うとなると、年間100万円以上はすぐかかります。水道光熱費、食費、携帯電話代などを払うと、ほとんど貯金はできないでしょう。
せっかく専業主婦になったのに、育児の手が離れるとパートに出る羽目になったりします。まして、夫のリストラや病気などがあれば、生活を根底から考え直さなければなりません。
最近は東芝やシャープといった大手企業でも、不祥事や業績悪化で大量リストラを行う時代です。夫一人の収入に頼り切っていること自体が、とてもリスクの高いことなのです。
憧れの年収1000万円を稼ぐ男性をつかまえても、現実の生活はちっとも楽にはなりません。