第1章ちっとも貯まらない将来の資金。 働く女の苦しい懐事情
結婚しても育児と仕事の両立で四苦八苦
働く女性の場合、めでたく結婚できたとしても、その後がまた大変です。特に、子どもが生まれると今度は育児が待っています。育児をしながら仕事を続けるには、本人の努力はもちろん、夫の協力や会社の理解が不可欠です。
しかし、実際にはなかなか厳しいのが現実でしょう。例えば、東京都内では毎年4月、8000人前後の待機児童が発生しています。少子化が進んで子どもは減っているものの、いまや専業主婦世帯より共働き世帯のほうが多く、保育所を必要とする親が増えているからです。
なかなか解決しない待機児童の問題
現在、国では待機児童の解消を進めるため、保育所の開設をしやすくしたりしていますが、ここにきて保育士の不足がネックになるなど、必ずしもスムーズにはいっていません。
夫の協力にしても、「イクメン」や「家事男子」が流行語になっていますが、男性の育児休暇の取得率は2~3%程度で以前とほとんど変わっていません。育児休暇をとっても数週間がいいところでしょう。夫自身は協力的であっても、日本の企業風土が変わらない限り、会社でまとまった育児休暇をとるのは至難の業です。
もし結婚して子どもができても、夫にも保育所にも頼れない……出産後も仕事を続けるのは現実には難しいのです。